1. フラワーエッセンス:春の花

ムラサキサギゴケ

ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)Mazus miquelii

 ゴマノハグサ科サギゴケ属。本州、四国、九州に分布する多年草。田のあぜ道、郊外の空き地、草原、土手などの比較的湿った場所に群生する。花期 4〜6月。

名前は花の形がサギソウに似ていて、「コケ」は小さく横に広がることから。

 葉は根元に集まり、葉も花も地面をはうように生える。葉の間から花茎を伸ばし、薄紫や赤紫の花をまばらにつける。

 花は唇形。下の花びらは薄紅紫の中心部が白で、小さな濃い赤紫ないしオレンジの点が入る。顔立ちは同じ科のミムルス(バック)やモンキーフラワー(FES)にも似ている。

 花柱の先は大きく広がって2つに別れ、その内側が柱頭。この柱頭に触れると上下に分かれていた花柱の先が閉じ、しばらくするとまた開く柱頭運動を見せ、花の全体的な様子と相まって、不思議な感じを与える。

 匐枝を出して増える。

  這うように地面に近く咲くさまからは大地との関係が、湿った場所を好むことからは水との関係が考えられる。また、鮮やかな紫色・白とオレンジ色の組み合わ せは、2チャクラと6・7チャクラのバランス(高い精神性・ヴィジョンと本能的感情のバランス)を思わせるところもある。

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マツバウンラン

マツバウンラン(松葉雲蘭)Linaria canadensis

 ゴマノハグサ科ウンラン属。北米原産の1年草・越年草。関東、近畿、四国、九州に分布し、道ばたや空き地を中心に群生。花期 4〜6月。

 名前は、海辺に生える海蘭に姿が似ていて、葉が細くて松葉状であることから。

 茎は非常に細いが、しっかりとした芯がある。細く長い茎の上の方に小さな薄紫の花が幾つもつき、順に開花する。

 花はゴマノハグサ科によくみられる唇形で、下の花びらは3つに分かれて中央が白く盛り上がり、他の花びらは淡い青紫。

 風に吹かれると、薄紫の花のついた、細くしっかりとした茎をしなやかにゆらし、まるで軽やかに踊っているように見える。

 風・大気の要素つながりや、やまわりの空間とののびのびとした関係を感じさせる。

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ハハコグサ

ハハコグサ(母子草)Gnaphalum affine

 キク科ハハコグサ属。全国の道ばたや畑、土手の日当たりのいい場所に自生する多年草。草丈15〜40cm。花期 4〜6月。

 春の七草の一つで、9世紀にはすでに「母子草」として記されている。

 オギョウ、ゴギョウとも呼ばれ、餅やかゆに入れるなど食用にもされた。

 葉は細く、全体に綿毛で覆われて白っぽく見え、手触りも柔らかい。同じように柔らかで綿毛の生えた茎の先は短く分かれ、その先に黄緑色から黄色の小さな花がたくさん、固まってつく。

 この小さな頭花の一つ一つが、膜のような総ほう片に包まれ守られている。中心に筒状の両生花が少数あり、まわりに細い糸状の雌花がたくさんあって、どちらも実がなる。

 優しく穏やかなジェスチャーに対し、ロゼットを作って冬を越す持久的なたくましさもある。

 柔らかく暖かな手触りの花は大地にとても近く咲く印象がある。花の色が黄緑から濃い黄色なのも興味深い。花色に緑のかかる花は、とりわけ「母なる緑の大地」との関係が深いとされる。 

 早くに定着した名前の「母子草」は、日本人にとっての「母親」のアーキタイプを探る上での重要さを示していると考えられる。

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ノイバラ

ノイバラ(野薔薇)Rosa multiflora

 バラ科バラ属の落葉低木。日本各地に分布、野原や低山、丘の草むらに自生。花期 5〜6月。

 薔薇と言えば艶やかな西洋種が思い出されるが、白い野薔薇は日本の自生種。平安時代には「ウバラ(茨)」と呼ばれた。

 実(ローズヒップ)はヴィタミンCが豊富でお茶やハーブとして用いられる(園芸種は実がならない)。

 花びらはバラ科の特徴として5弁で、桜と同じく、「5」の象徴性との関係が考えられる。

 茎は硬く強く、バラ属の共通点であるとげがあり、根は非常に深くはる。バラ属の中でも丈夫で繁殖力があり、栽培種のバラの台木にも使われるほど。

 豊かな緑の葉で藪は茂みのように広がる。中心から黄色の雄しべが放射状に広がる白い花が無数に開き、緑を背景にした星のようにも見える。花は甘やかに香る。

 白の持つ精神性と純粋さのイメージと、野生のバラ属の持つ大地に根付く強さがバランスされ、人間として体の中に生きる魂にとっての大切なバランスを表現している。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス: カリフォルニアワイルドローズ(FES、同属、色違い(ピンク))「地上に生まれ、人間として生き、奉仕することへの情熱」、ワイルドローズ(Bach、同属、ピンクまたは白)「生きる意志と生きることの喜び」

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ナノハナ

ナノハナ(菜の花、西洋アブラナ)Brassica napus

 アブラナ科アブラナ属。地中海・中央アジア原産、明治初期に油をとるためにヨーロッパから輸入したものが野生化、河原や野原、荒れ地などに群生。草丈は1m以上になることも。花期 3〜5月。

 「菜の花」は、アブラナ、西洋アブラナや西洋カラシなどの花をまとめてさす呼称。アブラナ属には食用として栽培種になっているものが多い(白菜、キャベツ、小松菜、マスタードなど)。

 4弁の花びらはアブラナ科の特徴で、科名のCrufiferaeは「十字架」を意味する。数字の「4」との関係性では、バランスと安定性の要素が考えられる。

 葉は濃い緑色に粉が吹いたようで、強く、厚みがある。茎もしっかりとしていて、生命力の強さを感じさせる。繁殖力も強く、しばしば群生して、春にたくさんのまぶしい黄色の花で野原を埋める。

 ここでは黄色は、希望と生命力、生きる喜びを表す色に感じられる。

菜の花(西洋アブラナ)のエッセンスの効果(臨床データから)

 

エネルギー・レベル

 2チャクラ、6チャクラを活性化する。5チャクラを活性化する。3チャクラの強い浄化。
 垂直方向にエネルギーの通りがよくなる。
 6・7チャクラに光が降ったり、頭のまわりに光が集まる感じ。
 オーラ(エネルギーフィールド)が中心から光に満たされ、外側に向かって広がる。「頭の中に蜂蜜のような金色の朝の光が刻々とあたり、明るくなる感じ」。続いて、透明だがしっかりした感覚が生まれ、ぴったりと自己の「型にはまる」感じ。

 ブラインド試験では白と黄色を感じた人がもっとも多く、マゼンタ・バラ色・ピンク・赤などの暖色系、紫を感じた人も複数あった。

肉体レベル

 このエッセンスを「甘い」と感じる人が非常に多い。「蜂蜜のようなまったりとした甘さ」「甘さが耳の後ろに残る」。
 「足がじんじんする」「体の奥が熱い」「エネルギーが下に下りていく」などのグラウンディング効果。 「リズムがゆっくりになる」「首まわりや肩、腕がじわっと緩んで、ぽかぽかする」などのリラックス効果。
 頭や体全体がすっきりし(「朝露を飲むようなすっきり感」)、背筋が上から下へと伸びて背骨がまっすぐになったと感じる。

知性面

 頭がすっきりする。「夜明けを知らせる鐘の音」。

感情面

 希望。元気さ。中心から広がる。ハートから広がる。暖かさと優しさ。安心感。憧憬と懐かしさ。
 自己の中心がはっきりし、「私はこうしたい、こうありたい」といった思いや、自分の感情を明確に感じられる。

精神面

 内面が静かに明晰になり、内側に焦点が移動する。自分自身の内にすっと入って行ける。自己の奥深くに入っていくことができる。
 光や自己のエッセンスが内側から静かにわき上がる感じ。「心の鏡」。

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タンポポ

タンポポ(蒲公英)Taraxacum platycarpum

 キク科タンポポ属。野原や道ばたにでよく見る多年草。都会で見られるのはほとんどがたくましい西洋種だが、在来種も本州の自然のまだ残っている場所に分布。草丈15〜30cm。花期 3〜5月(西洋種は秋にも咲く)。

 古名は「鼓草」「田菜」。英語では、葉の形から「ライオンの歯(Dandelion)」。

 同属のセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)は欧米では昔から食用で、苦味のある葉をサラダにする。苦みのある根を乾燥させてコーヒーの代用品も作られ、ハーブとしては肝臓の浄化に役立つ。

 漢方では全草を乾燥したものを蒲公英(ほこうえい)といい、解熱、発汗、健胃、利尿などに用いる。

 

 濃い緑色の葉は根元から生えて地面に近く広がり、羽状に深い切り込みがある。根は深くまっすぐに伸び、大地との安定した関係を思わせる。

 太くしっかりとしてまっすぐな茎の上に、太陽を思わせる明るく暖かな黄色の花が乗る。花は実際にはたくさんの小さな舌状花が集まってできている。この小さな花の一つ一つが、やがて綿毛をつけた種になる。

  小さな花が緊密に並び、バランスよく中心部から外に向かって広がっていくさまは、しっかりとした自己の中心とオープンさの両方の要素を感じさせる。種が綿 毛で風に乗って広がっていくさまも、根や葉のジェスチャーに示されるグラウンディングの強さに対して、風との軽やかな関係が表され、対極の要素がいろいろ な形でバランスされていることが感じられる。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス: ダンディライオン(FES、同属)=「活力にあふれ、軽やかに流れ出る生命力」

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サクラ(ソメイヨシノ)

サクラ(桜、ソメイヨシノ)Prunus X yedoensis Matsum cv. Yedoensis

 バラ科サクラ属の落葉高木。花期 3月半ば〜4月。

 桜は日本の春を象徴する花。古典で単に「花」といえば桜のことを指すほど。

  『古事記』に出てくる「木花之開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)」の「木花」は桜の花を意味し、「サクヤ」の音がサクラの語源といわれている。 また桜の音には「咲く」「盛ん」「幸(さき)く」という意味もある。別の説では、春に里にやってくる稲(サ)の神が憑依する座(クラ)としてサクラと呼ん だというも言う。

 ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの交配で作られた種で、明治の始め頃に東京から全国に広がった。古 歌に詠まれているのはほとんど山桜だが、今では桜と言えばまずソメイヨシノを思うほど、日本中に広がっている。また世界中に広がっている観賞用桜も、ほと んどが日本原産のソメイヨシノ。

 ソメイヨシノは花だけで種子ができず、人の手を介さなければ増えることができないことから、桜の中でもとりわけ人間との関わりが深い。

 樹皮は生薬の桜皮(おうひ)で、鎮咳、去痰作用があり、北米でも浄化用のハーブとして用いられる。葉や花の塩漬けは桜餅や桜茶などとして春の風物詩になっている。

  春に若葉が出るより先に花が咲き、花がピンクの雲のように樹体全体をおおう。花びらは咲きはじめは淡紅色、開くにつれ淡いピンクに変化し、やがてほどんど 白色になる。とても柔らかな花びらは散りやすい。花にはすぐに桜と分かる上品な甘い香りがあり、葉にも独特の芳香がある。秋には紅葉もする。

 花びらはバラ科の特徴として5弁で、「人間の魂の変容」を意味する「5」の象徴性との関係も考えられる。

  木花之開耶姫は美しく、同時にはかなさと潔さ(執着のなさ)を象徴する女神。無生殖(クローン)で増える、寿命が身近といったソメイヨシノの生物学的特殊 性と合わせ、日本人の魂の中における桜のアーキタイプについて考えてみることは、日本人全体の魂の変容の過程の理解のために重要と思われる。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス: チェリープラム(Bach、同属(白))=「極度に困難な状況の中でも、執着から離れ、信頼をもって高い力に身を任せることができる」

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キンポウゲ(ウマノアシガタ)

キンポウゲ(金鳳花、ウマノアシガタ)Ranunculus japonicus

 キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。別名ウマノアシガタ。全国の日当たりのよい山野に分布。草丈30〜70cm。花期 4〜5月。

 科・属名の Ranunculus はラテン語で「小さなカエル」「おたまじゃくし」を意味する。別名のウマノアシガタは「葉の形が馬の足の形に似ている」とされるが、どこをどうしても似てなく(「似ていない」と正直に書いてある本もある)、名前に謎が多い。

 わかりやすいのは英語名のバターカップで、これは溶かしたバターを塗ったようにつやつや光ることから。

 キンポウゲ科には、アルカロイドを含み、毒のあるものも多いが薬用・漢方用にも利用される。黄色の5弁花はキンポウゲ科に共通(水中に生えるバイカモを除く)。

 1.5〜2cmほどの黄色の花は、ガラスのようなつやつやとした光沢があり、太陽の光が当たって輝くさまはなかなか不思議。

 集団で咲き、しばしば群生する。根生葉は長い柄があり、葉は手のひら状に切れ目が入って、それにさらに浅く切れ目が入る。ジェスチャーは、細いがしっかりとした茎や葉柄を伸ばして太陽に向かって伸び、光を受ける黄色い花のカップを差し出しているよう。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス:バターカップ(FES、同属、西洋種だが花の姿やジェスチャーはほぼそっくり)=「まわりからの評価に捕らわれず、自分自身を受け入れることで内面から輝き出る光」

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キショウブ

キショウブ(黄菖蒲)Iris pseudoacorus

 アヤメ科アヤメ属。ヨーロッパ原産の多年草。明治時代に日本に入り、全国の湿地、小川や池に野生化。花茎の高さ50cm〜1m。花期 4〜6月。

 アヤメに似て、花の色が黄色いことから「黄菖蒲」。菖蒲の名自体は平安時代の神事に使われた菖蒲(アヤメ)に由来。神社やお寺の神苑でアヤメが見られるところも多い。

 科名 Iridaceae、属名 Iris はともにギリシャ神話の虹の女神の名から。

 茎は凛とした姿勢でまっすぐに伸び、ごく上の方で分岐する。線形の葉もすらりと長い。その上に、あでやかな黄色の花が開く。

 大きな花びらは柔らかく、みずみずしく澄んだ黄色。外側がしっかりとした茎も内面にたっぷりとした水気を多く含み、水辺に生えることと合わせて水の要素との関係が深い。

 

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス: アイリス(FES、同属、色違い(紫))=「インスピレーションにあふれ豊かに流れる創造性、魂のこもった自 己表現」。ただしFESのアイリスは精神性・創造性とのつながりを感じさせる深い紫色なので、色の違いから来るニュアンスの違いを考慮する必要がある。

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オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリ(大犬のふぐり)Veronica persica

 ゴマノハグサ科クワガタソウ属。ヨーロッパ原産の2年草。明治時代に日本に入り、全国に広がる。道ばたや畑のあぜ道などによく見られる。草丈10〜20cm。花期 3〜5月。

 名前の「大犬のふぐり(陰嚢)」は、近縁種のイヌノフグリの種子が犬の陰嚢にそっくりな形になることから。オオイヌノフグリは「イヌノフグリに似た大きな花」ということらしい。

 属名の Veronica はラテン語の「真実」に関係しする。欧米文化圏では青は「真実」の色とされる。

 皿形に開いた花とハート形の果実はクワガタソウ属に共通の特徴。青色の小さな花は日が当たっている時だけ開き、花の寿命は1日。花弁は4枚でそれぞれ大きさが少しずつ異なり、合弁花なので、触るとよくぽろっと落ちる。つまむと花粉が指にたくさんつくことに気づく。

 小さな卵円形の葉にはのこぎり状の切り込みがある。茎はさかんに分かれて横に広がり、背の低さと相まって、大地との関係の近さと、グループとの関係性を思わせる。単独で咲くことはまずなく、たいがい集まって咲き、時に群落になる。

 どこにでも生えている上に花が小さいので、注意を払わないで通り過ぎがちだが、花はアップで見ると可憐で美しく、その青色は澄んだ高い空を思わせる。

対応が考えられる欧米のフラワーエッセンス:(リサーチ中、FESのベビーブルーアイズという意見あり)

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