2. フラワーエッセンス:夏の花

ユウスゲ

ユウスゲ(夕菅)Hemerocallis vespertina

ユリ科ワスレグサ属。山地の草原や林のふちなどに自生する多年草。本州、四国、九州に分布。草丈1〜1.5m。花期 7〜9月。

 和名は、夕方に花が開くことと、葉の形がカヤツリグサ科のスゲ属に似ていることから。別名 キスゲ。

 属名のHemerocallisはギリシャ語で「1日美しい」という意味。同属のノカンゾウやゼンテイカは朝開いて夕方しぼみ、ユウスゲの仲間は夕方開いて翌朝しぼむ。

 細く長い葉は2列に根生し、基部は互いに抱き合う形。茎の上部はY字形に分枝して、10個ぐらいの花が次々に開く。

 甘い芳香のある花は夕方から開き、翌日午前中に閉じる。この花の淡黄色は、暗闇でも蛾などの夜行性の虫に良く見えるといわれる。夕方から開き始める薄黄色の花には、「夢の世界の門番」とでもいったような不思議な雰囲気がある。

 リサーチのブラインドテストでは、爽やかさやみずみずしさを感じる人が多かったが、静けさや心地よい眠りの感覚など、眠りや無意識との関係を示唆する反応を経験した人もあった。

 ユリ科で、大地よりは天や宇宙とのつながりの深いこと、さらに夜に開くことなどから、寝る前に飲んで夢を通して意識の深いレベルとのつながりを開くような用途も考えられる。またワスレグサという属名も興味深い。

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ツキミソウ(メマツヨイグサ)

メマツヨイグサ(雌待宵草、月見草)Oenothera biennis

アカバナ科マツヨイグサ属。北アメリカ原産の2年草・越年草で、明治時代に渡来して野生化。全国の道ばたや荒れ地、河原、農村の空き地などに群生。草丈50cm〜1.5m。花期 7〜9月

 近縁種のマツヨイグサ、オオマツヨイグサとともに、一般に月見草、英語ではイヴニングプリムローズと呼ばれる。(ただしツキミソウという和名を持つのは別の種。)

 和名のメマツヨイグサは、同属のマツヨイグサよりやや小さめの花をつけることことから。変異性に富み、マツヨイグサ、オオマツヨイグサとの中間型もみられる。荒れ地を好んで生えることから、アレチマツヨイグサの異名もある。

 種子から採られるオイルはガンマリノレン酸を多く含み、体内のホルモンバランスを整える。ぬっても美肌効果のあるスキンケアオイルとしてもよく知られる。

 秋に芽生えてロゼットで越冬し、初夏に開花、結実する。

 花は優しく甘い香りがある。花の基本数は4で、ハート形の花弁と萼(がく)は4枚、雌しべの柱頭は4つにわかれ、雄しべは8本。花粉は虫に運ばれやすいように、糸でつながっている。

 もっとも目立つ特徴は、夕方から咲き始めて翌朝にはしぼむ、夜・暗闇と月のエネルギーとの関係の深い花であること。

 そこから、闇を母親の胎内に喩え、胎児期から人生の早期の記憶を開くのを助けてくれる花という見方ができる。また夢の世界とのつながりを癒しの助けになるような形で開く、月のエネルギーとのつながりをつよめる、といったことも考えられる。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス:イヴニングプリムローズ(FES、同属、英語では同名)=「早期に母親から吸収した痛みの感情を癒し、深く安定した人間関係を結ぶ能力」。

 FESのイヴニングプリムローズはもっぱら人生早期のトラウマの癒しに用いられるレメディとして知られているが、ルミニスのメマツヨイグサには、脳脊髄液の流れをよくし、リズムを整えるなど、さらに追加の性質が示されている。

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フサフジウツギ

フサフジウツギ(房藤空木)Buddleja davidii

フジウツギ科フジウツギ属の落葉低木。原生地は中国で、明治時代に日本に持ち込まれ栽培されたものが野生化。とくに標高の高い場所の河原など水辺を好む。高さ1〜3.5m、花穂は10〜20cm。花期 : 8月〜9月

 よく目立つ花の色と、非常に強い甘い香りで蝶やさまざまな昆虫を引きつけ、英語では「チョウの木」(Butterfly Bush)とも呼ばれる。

 枝、葉、根皮をつけて作る薬用酒を、解毒、打撲やできものの手当に用いる。

 非常にたくさんの小さな濃ピンクの花が房状になって咲く。房全体の形はやりのように先がとがり、大きな笹型の葉も、強さを感じさせる。むせるような甘い香りのする花を噛むと、最初に強い蜜の甘みがあり、その後に苦さがくる。

 薄赤紫の花の中心にはオレンジの点があり、第6チャクラと第2チャクラのバランスに関係することを思わせる。

 2度にわたるリサーチのブラインドテストが大変面白い結果を生んだ花。この花のエッセンスは、はっきりと好き嫌いが分かれる。

 好きな人にとっては「お酒のように」甘く、肌がほんのり上気して、気分が高揚し、とろけるようなハイになる効果がある。オーラもピンクがかかった薄紫の光で満たされる。

 嫌いな人にとっては、ハートの中の非常な不安感や恐怖感を刺激する。これはこのエッセンスがかなり強いため、この花に象徴されるアーキタイプに抵抗のある人の場合、一種のめんけん反応を起こすらしい。

  好きな人と嫌いな人を分けてみたところ、自分の中の女性性(アニマ)を受け入れ、「パワフルな女性」のアーキタイプをよく体現している人には、とくに好ま れる傾向が判明している。逆に男性でも女性でも、自分の中の女性性、とくのその力の面を受け入れることを難しく感じている人の場合、抵抗反応が起こりやす い。

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ヒルガオ

ヒルガオ(昼顔)





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ハクサンフウロ

ハクサンフウロ(白山風露)Geranium yesoense var. nipponicum

フウロソウ科フウロソウ属。亜高山から高山の日当たりのよい草地に生える多年草。本州、中部地方以北に分布。草丈15〜50cm。花期 7〜8月

 生薬のゲンノショウコと同じ仲間で、チシマフウロ、イブキフウロなどと並んで日本の自生種。

 葉には羽のような切れ込みが入り、秋には紅葉する。一見デリケートそうだが、冬を越すことのできる強さももっている。

 花は愛らしい印象を与え、花色は白に近いものから濃いピンクまである。花びらは5弁、薄紫のデリケートな縦筋模様が入っている。

 リサーチセッションのデータからは、ほとんど「懐かしく、せつない」と表現されるような形でハートを開き、内側から外に向かって自己を開きながら、愛の感覚を体感的に感じるのを助けてくれることが察せられる。




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ボタンヅル

ボタンヅル(牡丹蔓)Clematis apiiflora

キンポウゲ科センニンソウ属。本州、四国、九州に分布。日当たりのよい山野に生えるつる性の半低木。花期 8〜9月

 名前は葉が牡丹の葉に似ていて、つる性であることから。属名のセンニンソウは、実のなった花柱を仙人のひげにたとえたと言われる。

 つる性で、枝は根もとからたくさん枝分かれして四方八方に広がる。根も細かく分かれて土の中に広がる。つるはまわりの樹木などを支えに使いながら、何年もかけて上へ上へと伸びる。一見細くて弱そうなつるは、引っ張ってみると意外な強さを見せる。

 天に向けて伸びたつるの上の方に、夏になるとたくさんの白い花が咲く。

  クレマティスやセンニンソウと共通の特徴として、ボタンヅルには花びらがない。4枚の白い花びらのように見えるのは萼(がく)で、白い萼は十字架の形に開 き、その真ん中から、数本の雌しべとたくさんの白い雄しべが空に向かって伸び、まるで花の中心から白い光が天に向かって輝くように見える。

 秋には、仙人のひげのような長い毛のある実がなり、風に乗って飛んでいく。これもセンニンソウ属に共通の性質で、風・空気の要素とのつながりの強い植物であることを示している。

 ボタンズルのエッセンスは、魂が自分の中に覚えている「光に満ちた世界」の記憶を刺激する。そして「光」についての記憶を思い出させることで、もう一度、この物質世界に生きて、自分を表現することに向かう勇気を持つのを助けてくれる。

 エネルギーのレベルでは、第6チャクラを整え、バランスさせる。これらのチャクラが十分に開いていない人ではそれを開かせ、逆にアンバランスに開きすぎている人では、それをグラウンディングさせるのを助けてる。

 リサーチのブラインドテストでは、多くの人が「上から光がふってくる感じ」「霧が晴れたように視野が明るくなった」といった経験をメモしていた。これは第6チャクラが活性化した状態をよく表している。第6チャクラは内的・外的な視覚と深く関わっている。

  同時に「血の巡りがよくなってぽかぽかしてきた」「エネルギーが下に下りていく」と感じた人も何人もあった。これは上に偏り過ぎたエネルギーがバランスさ れ、大地と肉体とのつながりが安定してきたことを示している。「体が重くなった」と表現した人があったのも面白い(普段、エネルギーを上の方に集めて生活 している人は、肉体の中にしっかり入ることを最初「重い」と感じることが多い)。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス:クレマティス(Bach、同属、ジェスチャーもほぼ同じ)「インスピレーションを地に足のついた形で形にする」

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ツユクサ

ツユクサ(露草、夏)Commelina communis

ツユクサ科ツユクサ属。道ばたや草むらに生える1年草で、全国に分布。草丈30〜50cm。花期 6〜9月

 名前は、露を帯びた草の意。

 別名の帽子花(ぼうしばな)は、花を包むほうの形が帽子のように見えることから。万葉集では「月草(つきくさ)」と呼ばれていたのが、江戸時代に「ツユクサ」に変化した。螢草(ホタルグサ)という別名も。

 英語名の Day flower は、1日だけ咲く花ということから。

 昔は衣類に花をこすりつけて染める擦り染めに用い、またツユクサの花の色素は水につけると溶けるため、友禅の下絵を描くのに用いられた。

 若葉は山菜として利用でき、全草を乾燥したものは薬草として用いる。

 茎の下部は地をはいながらよく枝分かれし、節から根を出して増える。葉は笹の葉に似たスマートな形で互生。

 花は二つ折りの舟形のようなほうに包まれており、1個ずつ、ほうの外に出て開く。3枚の花びらのうち、2枚は大きく青色で、1枚は白色で小さい。朝に開花して昼にはしぼむ。

 露草は日本の自生種で、身近で古くから愛されていた植物であることと、露草という名前に込められた象徴性の両方から、重要なレメディの1つと考えられる。

 アルケミーの伝統では、朝早く植物につく露を集め、自然の「エッセンス」として用いた。ヨーロッパでこのために重用されたのはレイディーズマントル(別名 アルケミア)だが、露草はその日本版とも考えられる。

 リサーチのブラインドテストでこのエッセンスをとったある参加者は、「マリア様のマントに包まれるみたい」と表現した。西洋では聖母マリアのマントは伝統的に青色とされる。

 レメディとしての重要さから、エッセンスは夏の花と秋の花の2種類を生成している。

 夏に生成されたものは、より第5チャクラとの対応、エーテル体への働きかけや、時間のリズムとの関係性が強い。

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ツツジ(モチツツジ)

ツツジ(モチツツジ/餅躑躅)Rhododendron macrosepalum

ツツジ科ツツジ属。本州から四国にかけて分布する半落葉低木。樹高1〜2m。花期 4〜6月

 ツツジの園芸種は、モチツツジから作られたものが多い。

 名前の由来は、新芽や蕚(がく)などに腺毛がたくさんあり、トリモチのようにぺたぺたたするため。

 蟻など虫との関係も深い。

 葉は卵形の若緑色の葉が互生。秋に紅葉するが、多くの葉は落葉せず、冬を越す。

 葉が出始めると同時に、枝先に上品なピンク色の花を複数個つける。上の花びらには紅色の斑点がある。上品で柔らかな花は、まるで今にも舞いだそうとする蝶のような趣がある。色合いも手触りも、なんともいえない「甘やかさ」を感じさせる花。

 リサーチのブラインドテストでは、包み込むような優しく暖かな質のエネルギーを感じた人が多く、「香木のような香り」や甘さを感じた人も複数あった。

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コオニユリ

コオニユリ(小鬼百合)Lilium leichtlinii var. maximowiczii ユリ科ユリ属

ユリ科ユリ属の多年草。全国に広く分布、山地の草原に自生。草丈1〜1.5m。花期 7〜8月。

 ヤマユリ、コオニユリ、オニユリの近縁3種は、いずれも鱗茎(ゆりね)を食用とするため栽培されていた。

 まっすぐに上に伸びる茎はやや太めで、外はしっかりしているが中はみずみずしい。葉はユリ科に特徴的なすんなりとした長い笹形で互生。茎は上部で枝分かれして花がつく。

 しっかりとした作りで厚みのある花は強く反り返り、とても目立つ長い雄しべと雌しべが出ている。

 オニユリやコオニユリでは、花は上ではなく下向きや横向きに咲く。これは大地とのつながりを示すジェスチャーで、ユリ科は一般に大地との関係が薄く、宇宙とのつながりが強いとされるが、その中ではやや異色の存在。

 茶色の斑点のある強いオレンジ色の花も、とくに第1チャクラと第2チャクラとの関係を感じさせる。ユリ属の仲間ということから、女性性のテーマも考えられる。

関連が考えられる欧米のフラワーエッセンス:タイガーリリー(オニユリ、FES、同属)=「女性としての強さをバランスされた形で表現し、協調的な形で社会にもたらすことができる」

 コオニユリはタイガーリリー(オニユリ)より小ぶりで、タイガーリリーの強さに比べると可憐な雰囲気がある。またタイガーリリーは力一杯下を向いて咲くが、コオニユリはややうつむき加減という感じ。

 タイガーリリーは栽培が中心で、人里近くに野生化しているが、山中には自生しない。また3倍体で結実しないため珠芽(むかご)で増える。コオニユリは山地に自生し、結実するので種で増えることができる(珠芽はできない)。

 リサーチのブラインドテストでは、足が熱くなる等の強いグラウンディング効果を感じた人と、「天女の風になびく羽衣」でイメージされる、軽やかな女性性のエネルギーを感じた人があった。

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クズ

クズ(葛)Pueraria lobata

マメ科クズ属。全国の日当たりのよい山野、野原、荒地、土手などに自生するつる性の多年草。花期 7〜9月

 古名は葛かずら。名前の由来は、大和国、吉野の国栖(くず)が、この植物からとったでんぷん(葛粉)の名産地であったためとされる。(しかし、では国栖の人たちはこの植物をなんと呼んでいたのか? )

 夏から咲くが、秋の七草の1つでもある。

 葛の根を干したものは生薬の葛根(かっこん)で、発汗・鎮痛作用がある。くず粉も根から作る。つるは切りとってかごに編んだり、つるや茎の繊維で葛布を織る。

 クズの生長速度はものすごく、ちょっとした低木林ならその上を覆い尽くしてしまう。この成長速度を買われ、緑化や牧草用としてもアメリカに持ち込まれたが、たちまち南部の州に広がり、アメリカではクズ対策が大きな問題になっている。

 茎の根本や年を経たつるは木質化し、全体に黄褐色の粗い毛があって、たくましい感じ。つるは最長10メートルまで伸びる。地面を這いながら方々に根を下ろし、根は太ってでんぷんを溜める。マメ科らしく、実は枝豆に似ている。

 葉は3小葉からなり、それぞれの小葉は手のひらほどに大きい。葉の脇から伸びる花柄に、薄赤紫から深いマジェンタ(赤紫)のたくさんの花が房状につく。内側の中心部には濃いやまぶき色の点がある。

  繁殖力のすごさ、長く伸びて木質化するつるや、大きな葉などに表される強さとたくましさ、濃いマジェンタ色の花などから、肉体の強さや持久性を刺激するこ とが予想される。リサーチのブラインドテストでも、肉体系の反応を感じた人が多かったが、第6チャクラに影響を感じた人も複数あった。

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